アル中のsyousukeです。

おかげさまで断酒継続中です。

ところで、
酒を止める方法に絶対はありません。
言葉の使い方にも、解釈が色々あるので絶対はありません。
しかし、敢えて言いたい!


禁酒、卒酒

↑ これ、だいっ嫌いな言葉です!

我々アル中業界では酒を止めることを『断酒』というのが一般的です。
確かに『断酒』という言葉は、我々アル中が身を置くこの業界で作られた専門用語であって、一般の世間でとおる言葉ではありません。

タバコの場合、断煙とは言わず禁煙と呼ぶのが普通です。
そういった常識からすると酒を止めることも禁酒で正しいのかもしれないが、酒を止めるためにそれなりの知識を身に付けている『業界人』からすると、あくまでも『禁酒』は、素人さんの使う言葉です。

もちろん業界に居るからといって偉いわけではありません。
業界人が絶対に正しいというわけでもありません。
しかし、アルコールに対する知識の少ない人が酒を断つことは難しい。
そういう意味で、『禁酒』という素人用語を使う人に、禁酒できている人は少ない。
だから、『禁酒』という言葉の甘さが大嫌いなのです。


表題の『禁酒セラピー』、タイトルだけで受け付けれませんでした。
ましてやこの本のサブタイトルは

 読むだけで絶対やめられる

そんな簡単に止められるくらいなら誰も苦労はせん!
はっきり言って虫唾が走るくらい嫌な生理的に受け付けれない本です。


しかし、読みもしないで批判するのも大人気ないと思い、読んでみました。

結論からいいます。
依存が形成されていなくて健康のためや経済的な理由で酒を止めたい人や、習慣飲酒や精神依存のある人くらいまでなら酒を止めれるかも知れないが、身体依存まで形成されている人にとっては読むだけ無駄どころか、絶対に読んではいけない本です!

はっきり言います。この本の著者、『ALLEN CARR/アレン・カー』は素人です。
仮に百歩譲って控えめに考えても、依存の入り口付近に位置する依存症グレーゾーンの人で、本当の離脱症状の苦しさも何も知らないあまちゃんが薬物依存を知ったかぶりして書いてるのです。『禁煙セラピー』の二番煎じで柳の下のどじょうを狙ったのでしょう。


第一章に

 アルコール依存症寸前の人も、すでに依存してしまってる人も、「お酒は簡単にコントロールできる」

こう書いてあります。
アルコール依存症者とアルコール健常者を一緒にしたらあかんわなぁ…
もうこの時点でゴミ箱に捨てたかったけど、我慢して読みました。

確かに良い事も書いてはあります。
しかし著者自体が素人なので、内容に矛盾が多すぎる!
たぶん著者本人にとっては矛盾していること自体を理解することが出来ないのでしょう。決定的なのはこれ!

 お酒をやめても肉体的な禁断症状はでないということ。私たちは「お酒を止めると禁断症状に苦しむ」と社会に洗脳されているのです。ありもしない禁断症状のことを騒ぎ立てるのは、お酒が止められない人の言い訳にすぎないのです。

幻視や幻聴などの幻覚は精神的な離脱症状で、苦しみはあっても肉体の痛みはない。

しかし、心臓が口から飛び出すのではないかと思うほどの動悸、
体中に虫が這ってるような痒み、
体中の筋肉が痙攣を起こす痛み、

これらは幻覚ではない!
堪えがたき肉体の苦痛が伴う離脱症状です。

批判したいバカ丸出しの記述はまだまだあるが、あほらしいのでこれ以上は割愛するが、最後にもう一度言う。


『禁酒セラピー』

アル中が本気で酒を止め続けたいのであれば、絶対に読んではいけない悪書です。


↑これは悪書、絶対に読むな!




<2012/12/16 問合せがあったので追加しておきます。>

『アルコール依存症を知る! 回復のためのテキスト』

専門医 森岡 洋先生の著書です。専門家の著書はわざわざ難しく書いて分かり難いのが多いが、これはとても分かりやすくとても読みやすい書籍です。


↑これはほんまにお勧めです。^^


どうやって、飲まないでいるか
『どうやって、飲まないでいるか』

この本はAAプログラムには触れず、飲まない生き方を続けるための実践的な提案だけが書かれているので、AA苦手、と言う人(そんなん俺だけかも?)でも抵抗少なく読める良い書籍ですが、書店では手に入りません。お近くのAAセントラルオフィスまでお問合せください。735円だと思います。^^;
↑こちらもお勧めです。^^


<2013年11月30日 追記>
書店では入手できないと思っていましたが、アマゾンで入手できるようです。
(値上がりしたのかな?)





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