コメントにも書き込んだけど、昨日クリニック繋がりの仲間達と日帰りで海水浴&バーベキューに行って来ました。

メンバー構成はアルコール依存症5名(内2名はギャンブル、ドラッグ、買い物などのクロスアディクション)、元覚せい剤依存症(現在は立派に更正、執行猶予も完了!)1名、依存症の無い正常者1名の大人7名、小学生(もちろん健康な可愛い女の子)1名、名犬ラッシー1匹の珍グループです。依存症6名は大なり小なり全員「鬱」と「パニック症」をもっています。

今回は珍グループのため特別ルール有りなのです。


ルール1 : アルコール飲用禁止(ノンアルコールビールも含む)
ルール2 : 覚せい剤使用禁止
ルール3 : 毒キノコ飲食禁止
ルール4 : 合法非合法に関わらずドラッグのOD禁止
ルール5 : ドタキャン有り
ルール6 : 雨天決行
ルール7 : 最悪、電車でも各自工夫して現地集合。
ルール8 : 携帯は絶対忘れない事

ちなみに「OD」とは、オーバードーズ (over dose)の略で、ラリる目的で薬物を多用する事と思っていただければよいです。(ここの読者には蛇足かも?)


なにぶん正常者は大小2名と1匹だけなので、何時何処で誰が鬱るか、パニクるか分からないので正確な予定が立てれない。配車通りに、人のピックアップもどうなるか分からない。

一応役割分担は事前に決めてあるが、肉なしのバーベキューになったり、材料はあっても道具が揃わなかったり、車が迎えに来なかったり、考えられることは色々である。頼れるのは携帯のみ。ディープに鬱ると携帯の電源ブチカットというのもありうる。

事前の天気予報では、当日は曇りのち午後、雨(60%)。最悪のパターンだが、どうせ何が起こるかわからないメンバー構成なのでとにかく決行!

さらに、何時、何処で、誰が、最初の一口(アルコール)、最初の一発(シャブ)やってしまうか分からない。考えてみると恐ろしいツアーであった。


しかし結果は、前日夜通しの雷雨。当日夜からの雷雨。その間の「曇り時々晴れ」の間に実行できた。

断酒のご褒美?

執行猶予中、シャブから更正のご褒美?

大麻禁煙のご褒美?

何かよく分からないがすべてが順調に進んだ。
現地到着すぐに、私とアル中A氏とでタープの設営。ブルーシート1枚半の敷地にヘキサウイングのタープを巧みなロープワークで日陰を作る。まるでボーイスカウトばり!

で、後続メンバーが到着。いつもは私が火の元責任者なのだが、正常者である長老が炭をおこす。これまた、ボーイスカウトばり!この間、女性陣とお子ちゃまはすでに水浴び。

昔の我々なら、既に缶ビールのロングを5本は空けていると思う。しかも作業ペースはもっと、もっと遅いはず。素面でやると実に作業効率が高い!

当たり前のことが当たり前でないのが我々の仲間。酒を飲らずに作業することの辛さが実に楽しい!矛盾しているが苦しいけど楽なのである。やはりこの感覚は「仲間」でないと理解しあえないと思う。きっと自助グループに繋がることを医療関係者や多くの仲間が強く勧めるのはこういったことを指すのだと実感する。

すると間もなく女子たちは腹を空かせて遊泳から帰ってくる。早くバーベキューはじめろと催促される。

オイオイ、それは女の仕事やろ!

と、思いながらもシャブ中、アル中、ラリ中、の女が揃うと恐ろしい。
何とかご機嫌を損ねぬようキャベツとニンジン、ピーマン、玉ねぎのカットを依頼するが、結局は洗っただけ。カットはアル中A氏。で、様子を見に行った俺はカット野菜の運び屋。結局、男3人でほとんど用意し調理(長老)する。ま、楽しいからええけど!

お子ちゃまを計算に入れても平均年齢は半世紀かな?
バーベキューの間は、「ディープパープル」や「つボイノリオ」などノンジャンル懐メロに徹底してBGM。会話の中心は自分たちの経験した幻視幻聴の類の体験談。まるでAANA断酒会をごっちゃにした自助グループである。

俺は純粋なアルコール依存症であるが、若気の至りでシンナーから各種ドラッグをたいがいのものは経験している。「アマニタ・パンセリナ」(テングタケ)ではないが、毒キノコはバリ島で「マジカルマッシュ」を経験している。一応「ワライタケ」もやってみた。

シャブ中B女子は俺と同年齢で、シャブ暦30年のつわもの。やはりオールジャンルの経験者であるが、依存症の診断は「覚せい剤」のみ。純粋なシャブ中である。なぜか非常に気が合う。依存の対象は違うが、16さいころからの環境が非常によく似ているのだ。

A氏とC女子は俺と同じく純粋アル中、W女子とS女子はアルコールを柱にした多重依存症。C女子のご主人は精神科とは縁の無い長老で元教職者。長老にとっては妻の友人達の会話は尋常ではないはず。


俺が、チョコレート極めてタブレットODしてた時の話をする。

ちっちゃい「おもちゃの兵隊さん」が

ワジャカジャワジャカジャ、ワジャカジャワジャカジャ、

と言いながら鉄砲担いで行進してくる。しかしツレはじっと段ボール箱を見ながらなにやらチャンネルを変える様な仕草をする。で、俺に何してるねんって聞く、

お前、あれ見えへんのか?
小人の忍者が天井を飛び回りながら手裏剣を投げてきよるやろ!それをよけてんねや!

ほんまや、とツレも一緒に手裏剣をよける。で、一緒に砂嵐しか写らないテレビのチャンネルを変える。

するとシャブ中B女子は、私は「妖精」。
ポンプを入れてる引き出し開けると、パァーっと小さな妖精がいっぱい出てくるの!

どうも、ハイにくると「小人」がキーワードみたい。で、ダウンにはまると「巨人」にプチっと潰されるのが落ちのようである。アルコールのみのときはゴキブリや虫など小動物がメインで、物が人に見える場合もある。幻聴は電話のベルが多いようだ。

書き出したらきりがないほど、幻覚の話は面白かった。同じ薬物でも人様々で、当然薬物によっても様々で、きっと、医療関係者なら金を払ってでも参加したかっただろうと思われるくらい内容は濃いかった!

後ろ髪を引かれたが、疲れからスリップしてしまうことを考慮して早めに解散する。
現地(二色浜)10時〜16時の楽しいひと時であった。

しかし、楽しすぎても飲酒欲求がわいてくることを発見!
現場では、ビール飲みたいとか冷酒やりたいとかいいながらコーラや麦茶で大騒ぎしていたが、家に戻ってから少しだけ本気で飲りたくなったが眠剤飲んで早めに就寝でかろうじて断酒107日達成!

ちなみに、チーム「もぐら」は別の機会に説明を持ち越します。

間もなく108日目も達成!



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