
「忘却」が訪れるから、人間は生きてゆける。辛いことも、悲しいことも、いつの間にか忘れてしまうから救われるのだ。けれどもし、日常のどんな些細なことも永遠に忘れられずに記憶に振り回される人生を送らねばならないとしたら…。
これは、そんな数奇な人生を余儀なくされたジル・プライスの真実の物語。
先日友人からお借りした本です。
ハイパーサイメスティック・シンドローム(超記憶症候群)と研究者に名づけられた特異体質を持つ著者は過去の記憶を消す事ができず、何年前の何日は何曜日と記憶し、その日の天気や出来事、経験した事すべてを記憶しているらしい。
たった今経験した事も三歩歩けば忘れてしまうニワトリのような脳みそしか持っていないアルチュウハイマーな私にとって、とっても羨ましい体質に思えるのですが、よくよく考えると忘れる事ができないというのはとても辛い事でもある。
人は人生の中で激しく失望したり、強く恐怖した事を忘れる事ができずに繰り返し思い出すと情緒の安定性が損なわれ、PTSDに陥ることもある。そして激しい鬱状態になり自傷する結果にもなる。忘れるという能力はとても大切な事なのだ。
普通の人は忘れることが出来る。
そして私は特に忘却の能力に長けているようだ!
多分、忘れる事が得意なおかげで今まで自殺する事も無く酒に溺れながら生きてこれたのだと思う。
しかし、酒を止め続ける事に関しては酒害を忘却するべきではない。
ニワトリ頭でも忘れる事の無いように繰り返し語ることは必要かと・・・
語るは最高の治療 −松村断酒語録より−
断酒: 996日
禁煙:1835日
前回の飲酒未遂から:67日*
コメント
コメント一覧 (16)
40年近く前に私が妹の菓子皿からちょろまかした、
「チョコまん」の恨みをまだ忘れてくれないんですよね。
同じ姉妹でも、私は記憶喪失の名人です。
だから人からされた嫌なことも、自分が言った嫌なことも、
全部忘れてしまう。便利でもあり、無責任でもある。
よく言えば、すべてを忘れちゃうので人を許せるし、
都合の悪いことも忘れちゃうのでいい加減だとも思われる。
でも確かにすべてのことを細かく覚えているというのは、
案外、不幸なのかもしれませんね。
私は受けた酒害も忘れちゃうんですよ。
でもその時受けたネガティブな感情は忘れてもいいけど、
事実はきちんと覚えていないといけませんね。
次のステップにつなげるためにも。
早速注文してみました、紹介ありがとうございます^^
実に興味深いです。
恐怖の記憶は海馬から扁桃体へ記憶され重傷になればPTSDになるようですが、これは恐怖と言う感情が記憶されますから、前記の症状とは異なりますね。
私はPTSDに罹患していることがやっと分かりました。
でもその恐怖の体験を何度も何度も「語る」ことで新しい物語になりました。前にsyousukeに聞いた中井久夫先生は語ることで「(煙突の)すす払い」をすることが必要だ、と仰っているます。
長々、うんちくを書いてしまいましたが、語ることは一番の治療ですね。
チョコまんの恨みは普通、忘れられないでしょう!(笑)
僕は、たいがいの事は3歩歩いたら忘れてしまいますけど、怨み事は忘れないかも?
一番たちの悪い粘着気質らしいです。σ(^_^;
人を許せるって言うのはすばらしいですね〜
僕も見習わなければなりませぬ!(汗)
でも、酒害は忘れちゃぁ駄目ですよ〜^^;
世の中には色んな方がいらっしゃるものだと思いました。
信じがたい記憶力なんです。
でも、やはり適度なバランスが必要なんですね。
記憶と忘却にも・・・
コメントありがとうございました〜^^
僕もこの手の本ははじめて読んだのですが、どうも記憶のメカニズムはおおよそ解明されているようですが、忘却のメカニズムはまだ謎が多いようです。
そして、記憶の書き換えについても書かれていましたよ〜
まさしく、新しい物語への書き換えです。
ところで断酒会にも光と闇の部分はありますが、語ることを重要視しているのは光の部分ですね。吐き出すものがなくなるまで語り尽くしましょう!^^
忙しいのを言い訳にするのは大嫌いなのですが、超多忙な日々で、今日もボンヤリ徹夜です。
ある新聞のウェブサイトで、書評が出ていて、おもしろそうだなと思いつつ、読みました。
(図書館で借りようとしたのですが、すごい人数の予約が入ってました)
ジル・プライスの半分くらいか、3分の1くらいかなぁ?という感じで、自分も(呑んでいないときは)記憶力が、良すぎて、困ることのほうが、多いのです。
あふれかえってくる記憶の渦で、ぐるぐる思考になって、落ち込むことが多いです。
(特に、ドライドランクのときは、ひどい)
記憶やら、情報やらで、脳内カオスになるゆえ、アルコールを求めていたのでしょう。
シラフだと、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が、にぶっていない状態になって(本来の状態ですが・・・)、つらいことが多いですねー
そういうことで、テレビとか、ラジオとか、新聞とか、一方的に入ってくる情報の洪水は、かなり苦手なのです。
まったりと、サンテレビのシンプルなスタイルで、野球を観るのが好きだったりです。
(他局の中継は、うざいのです)
ま、いずれにせよ、ボチボチで、なんでも、ほどほど、ですね。はい。
私は忘れることが恐ろしくて、いつ誰と何の話をしたのか、自分はその日一日なにをして過ごしたのか。日記帳に書いています。うつ病の症状の一つとして記憶力減退があります。
記憶力が落ちていることに気付いた時、非常に恐くなりました。自分が話したはずの事を覚えていないのです。
常に日記帳を持ち歩いて書くことにしました。
昨年一年間で3冊日記帳を書きました。
診察を受ける時も日記帳を開き、お医者さんが言った言葉を書き留めなければ気がすまないのです。診察後も何を言われたのか思い出して書き留めてます。
「ちょっと強迫神経症ぎみです。今度はノートは持ってこないでね」とお医者さんから言われてしまいました。
忘れることは必要だと私も思います。
全部記憶していたら自殺してしまうでしょう。
面白そうな本ですね。今度読んでみようかと思います。
依存対象は違っても、依存が形成されるメカニズムは同じみたいですよ。
脳内麻薬による「報酬効果」、これが根本のようです。
徹夜仕事、おつかれさま!
僕はどうも作業に集中出来なくて徹夜で仕事は出来ないみたいです。
やっても起きてるだけで能率は最低、だから徹夜できるのが羨ましい!
以前は数時間ぶっ続けでロジックに集中できたのに、今は数分が限度・・・
それに記憶力はニワトリ並みやし〜
歳のせいか、アルコールの後遺症か、さっぱりわやですわ〜
でも、yamasiroさんの脳内カオスは分かる気がします。
僕の場合は、「混沌」では無くて「空隙」みたいです。^^;
連続飲酒でボロボロやった頃に比べるとずいぶんマシにはなってきましたが、でも最近の物忘れはとても酷くて困ってます。
そして僕もけっこうメモをとります。システムノートを持ち歩いてメモりますが、手ぶらのときは携帯へメモします。どちらかというと僕も強迫神経症だと思う・・・
で、忘れ去るべき事をけっこう粘着して覚えているんです。
繰り返し、思い出してウジウジ考える事が多いから余計に記憶が固まるのでしょうね。
記憶と忘却、メリハリが大切ですね。^^
夕べスマステーションと言う番組を見てて思い出しました
映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じていたのがこれだったように思います。
現実はもっとシビアで苦しいものなのでしょうが・・・
記憶には短期記憶・中期記憶・長期記憶と分類されてて、脳が自ら判断分類しているという事は皆さんご存知でしょう。
僕はブラックアウト防止のためネットで日々研究したものですが、結果サフラン煎じに辿り着き、効果0・・・アル中と断念した訳ですが(汗)
あと海馬の縮小が鬱などにも起因しているんだと最近知りました。
う〜〜ん(−。−;) 恐るべし!アルコール依存症。。。
嫌な事は忘れたい。でも心にとどめておかないといけない事って誰の人生においても一つや二つはありますよね^^
僕も決して忘れてはならぬ思いって言うのが心の片隅に常にあります。 時折思いを吐き出す事によって、昔から執拗にしまい込んだ記憶が時折顔を出すようになりました。
酒を止めて、ブログを書き始めて、、、信じられないくらいに心の重りが軽くなるのを実感しています。
今日も一日、飲まずに終わります。 おやすみなさいませ
ダスティン・ホフマン氏が演じていたのはサヴァン症候群と呼ばれるもので、忘れる能力が無いところは同じなんですが、サヴァンな人たちは蓄積された膨大な記憶を体系付けすることが出来ないようです。要するに円周率を延々と記憶して唱える事ができても円周率を理解する事の出来ない方たちなのですが、この超記憶症候群と症状名付けられた著者であるジル・プライス氏は蓄積された情報を時系列に体系化し、音楽や匂いなど他の感覚と記憶を関連付けすることもできるのです。
懐かしい音楽を聴いた瞬間、それに纏わる忘れ去られる事の無かった全ての記憶が洪水のように溢れてくる。楽しい思い出ばかりではないはずなのでこれは地獄絵図です。
ご本人が今なお健在でいらっしゃるのが不思議なくらいの特殊能力ですね。ニワトリ頭で良かったですわ〜(笑)
ちなみに一時記憶領域である海馬には亜鉛という微量ミネラルが存在し重要な働きに携わっているそうですが、飲酒という肉体的ストレスにも大量に消費されます。この不足から起こるのがアルコール性の健忘に大きく関わっているのではないかと考えています。もちろんサフランに含まれるカロチノイドが脳神経の活動電位を高める事も知られていますがおそらくは亜鉛を原料とする酵素、補酵素の働きがあっての相乗効果ではないかと・・・ もちろん推論です。
意識して亜鉛を摂っている時はブラックアウトが少なく性欲の減退も抑えられたように思ってます。(笑)
おっしゃるとおりですね。生まれ持ってのものならどうしようもないかもしれないけど、無知から来る生活習慣で起きた問題はやはり自分自身に問うべきなのだと思います。もちろん育った環境に大きく左右される事は無視できませんが過去は過去、気付いてからの人生は自分で変える事が出来ます。変えれる筈です。そう信じて自分と向き合っていきましょう!