断酒58日目

奇跡的に一滴のアルコールを口にすることなく断酒が続いている。
もう何年も飲んでいないような気さえする。

アルコール依存症とは「否認の病」と呼ばれている。
否認とは、明らかにある飲酒問題やアルコール依存症であることを認めようとせず、何らかの理由を付けたり、問題を小さく考えたり、周囲のせいにしたりするなどの事をいうらしい。

自分はアルコールに依存しているわけではなく酒が好きなだけだ。自分がアル中なら世間の酒飲みはみんなアル中だ。と、思っているわけである。

実際専門クリニックで治療を受けている人たちの大半は、家族や友人、同僚などの身近な人に勧められ、もしくは連れてこられて治療を受けることになるらしい。
俺のように自分の意思で自ら診察を受けに来るものは1割にも達しないそうである。

今思い起こせば、何時でもいらいらしていて、暴力的で、何かにつけ気に入らないことを理由に飲んでいた事が多かった。楽しく飲んでいてもある時点でいきなり目が据わり攻撃的になることも多かったらしい。

しかし、ずいぶん昔から自分がアル中であることは自覚していた。ただ、まだまだ治療が必要だとは思っていなかった。これも否認かも知れないが自分では無知であっただけと思っている。

今現在は専門クリニックへせっせと通い、講座やミーティングにも参加して知識も高まり、自分が申し分のない立派なアル中であると理論付けている。


しかし、
なぜか最近、俺って本当に依存症なのか?
という恐ろしい疑問を持つようになってきた。

自分と同時期に治療を受け始めた仲間たちとは日々顔をあわせるので、最初は挨拶を交わす程度だったが最近では雑談をかわすようにまでなってきている。そこで知ったのは結構みんな酒を断っていないのである。


夕方6時までは飲まないよ!

とか

1日2合までって決めてる。それ以上は絶対飲まないよ!

とか

たまにビール1本くらいは大丈夫やで!

などなど・・・


みんな同じドクターに診察を受けて、同じ部屋で点滴を受けて、同じワーカーから講座やミーティングを受けているのに・・・

同じような離脱で苦しんだはずなのに・・・


結構みんな堂々と「飲んでる」と話すのだ。ワーカーもドクターも知っている様子である。別に飲酒していることが羨ましいわけではない。なぜ断酒する決意や努力がないのかが不思議なんだ。

俺とどこが違うのか分からない!
通院を決意して診察を受け始めた日から断酒して、確かに酒は飲みたいが大きな離脱を乗り越えた今は強烈な飲酒欲求も起こらない。


もしかして俺は勘違いしていただけで、依存症ではなくただの酒豪?

ただの愛飲家?

10年も20年も休肝日を作れなかったのは、ただ意思が弱かっただけ?

字が書けないほどの震顫や痛くて苦しい痙攣はただのマグネシウム不足?

大量な寝汗はただの水分の取りすぎによる汗っかきなだけ?

10年以上続いた下痢もただの体質?

気が狂いそうな皮膚の掻痒感は肝機能低下による単なる皮膚障害?

記憶が飛ぶのは単なる老化の健忘症?それとも亜鉛不足?


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まわりくどい、飲酒への理由付けか?


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